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事業内容


研修事業

 
衛生管理者、作業環境測定士、人間工学専門家、産業医、産業看護職などの労働衛生専門家養成のための基礎的研修を始め、これら専門家の実務研修を支援します。又、実務担当者に対して事例検討会等に使用する会場の提供など、専門家の生涯研修を支援します。 


調査、研究事業

これまでに行った代表的な研究としては「産業保健の活動理論に関する総合研究」を行ないましたが、更に労働衛生マネジメントシステム構築に必要な、企業における新しい労働衛生管理システム設計のための調査、研究事業を行ないます。
 


労働衛生に関する相談、指導事業

企業における、作業環境や労働条件、作業管理上の諸問題に関する調査、指導並びに改善援助を行います。
 


労働衛生に関する情報収集事業

労働衛生に関する図書を始め、教育用のビデオ、CD、データベースなどの労働衛生情報の収集をします。


令和6年度事業計画

財団は昭和25年の設立以来、衛生管理者の養成をはじめとして、企業健診、成人病健診等を実施し、労働者の健康確保に寄与してきた。
 
その後、産業構造の急速な進展に伴い、労働者の健康問題は大きく変化し、労働衛生から産業保健へと焦点が変遷した。最近では労働者の健康問題は、従来の中毒などの職業病から、腰痛などの器質障害と精神障害に課題の中心が変化した。さらに3年前から蔓延した新型コロナ感染症を契機に、テレワークなどこれまでに始まっていた働き方の改革が一気に進み、労働現場では多角化した健康施策が求められている。
 
これらの新しい健康施策は、これを担当する産業医をはじめとする産業保健専門家の専門性に大きな変化をもたらした。専門家の責任はこれまでになく大きくなり、典型的職業病対策とは異なり、従来型の個別予防策に加え、対象職場に対する総合的戦略的アプローチが重要になってきている。
 
現時点では、日本の全労働者数の25%が10人未満の規模に、また60%強が50人未満規模で働いている。産業の情報化、サービス化により、産業構造の変化が加速し、非正規契約を中心とする雇用形態の多様化が進んでいる。とくに、年金支給開始年齢の引き上げと、それに伴い導入されつつある定年後再雇用制度により、非正規高齢労働者数が急増している。こうした雇用と企業経営形態の変化は、現行法制度が根拠としている、「場」を単位とした衛生管理者・産業医による事業場内部からのサービス提供方式だけでは、サービスの質をこれ以上向上させることが難しくなっている。
 
以上のような状況から、今後ますます活躍が期待される産業保健関係者の専門性向上の一環として、平成4年度に日本産業衛生学会の専門医制度が開設され、当財団はその発展のために支援を尽くしてきた。
 
以上のような経緯と認識のもと,令和6年度は以下の事業を計画する。
 


1. 支援事業

日本産業衛生学会専門医制度は、その後新たに中間資格ともいえる専攻医資格を設け、全国の医科大学出身者が等しく専門医資格を取得しやすい制度に改善された。これまでと同様、専門医制度に対する可能な支援を継続する。その他日本産業衛生学会等の行う各種の学術集会や研修事業を後援する。 
 


2. 労働衛生に関する情報収集事業

上記のような産業保健ニーズの変化には、最新の学術的方法により対処すべきであり、そのための関連科学領域における情報収集は不可欠である。産業保健ニーズに応じた情報収集とその利用に関する事業の支援を続ける。